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鉄鋳物への亜鉛めっきには酸性浴が最適!

コラム2021.01.17

 

一口に亜鉛めっきと言っても、使う薬品によって「酸性浴」と「アルカリ浴(ジンケート浴)」に分かれます。
酸性浴とアルカリ浴(ジンケート浴)の違いは、「電流効率」によって発生します。

「電流効率」とは、電気を使って起きる化学反応において、どれだけの電気量がその化学反応のために利用されたかを表す数値です。つまり、めっき処理で流れた電気のうち、どれだけがめっきに使われたか、ということ。電流効率が100%であれば、流れた電気の100%がめっきに使われていて、電流効率が50%であれば、流れた電気の50%がめっきに、残りの50%は他のことに使われているということです。では、この残りの50%の電気は、めっき処理において何に消費されているのでしょうか?

その答えは、「水素の発生」です。水素が大量に発生しながら、めっき処理が行われるのです。

そして、この「水素の発生」は、鉄素材や鉄鋳物の部品には悪影響を及ぼします。
めっき処理中に水素が発生することで、その水素が部品に取り込まれ、鉄が脆くなります(水素脆性)。また、部品に取り込まれた水素を取り除くために、後工程で高温でのベーキングが必要になるなどのデメリットもあります。

実は、鉄素材や鉄鋳物にとってなるべく避けたい「水素の発生」を最小限に抑えることができるのは、電流効率が高い「酸性浴」の亜鉛めっきなのです。

酸性浴とアルカリ浴を比較すると、鉄素材と鉄鋳物へのおおよその電流効率は以下のようになります。

                   酸性浴     アルカリ浴
鉄素材を処理したときの電流効率      95%       50%
鉄鋳物を処理したときの電流効率      60%       15%

電流効率が酸性浴ほど高くないアルカリ浴ですが、鉄鋳物に対してはそれが極端に低くなる傾向があります。それによって、様々な弊害が出てきます。

① 正常にめっきが析出されない
② あとから白染みが出やすい
③ めっき膜厚を確保できない
④ 水素脆性により素材が脆くなる

酸性浴であれば、このような問題をコントロールすることができます。
つまり、特に鉄鋳物に対しては、酸性浴の亜鉛めっきが最適である、ということです。

新和メッキでは、創業以来、鉄鋳物への酸性浴の亜鉛めっきを量産ベースで処理しています。その際には、
前処理の薬品が残らないようにエアーをかける。
めっきが付きにくい箇所にもめっきがつくように、処理中に表面をブラッシングする。
めっきのムラをなくすため、そして治具跡をつけないようにするため、途中で治具の位置を変える。
などなど、様々な工夫をして、お客様に最高品質のめっきを提供しています。

鉄鋳物に対して酸性浴の亜鉛めっきを処理できるめっき屋は、全国でも約5%。
新和メッキは、この技術に自信を持っています。

 

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